Assisi


by ShopMaster

村野藤吾

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村野藤吾・建築とインテリア」展を見てきました。
村野さんは私の最も尊敬する建築家の一人で、大学時代に修士論文を「村野藤吾の建築作品に関する研究」で書かせて頂いたこともあります。当時彼の多くの作品をくまなく見学させて頂きました。彼の建築を私は「写真写りの悪い」建築だと思っています。それは写真では「装飾過多」でなんだか趣味性の強い建築だなとあまり良い印象を持たずにいた作品が、実際にその空間に触れてみると写真ではとても表現できない豊かさを持っていて感性に語りかけてくるのです。逆に「写真写りの良い」建築も数多く見てきただけに、村野建築の空間体験はとても新鮮で驚きに満ちていました。
今回の展示会のサブテーマは「ひとをつくる空間の美学」。村野建築はまさに人の感性に語りかけてくる空間でした。それはいったいどこから来るだろうか?それが修士論文のテーマでした。

1984年、私が修士論文をまとめはじめたころ村野藤吾は93才で永眠しました。前日いつもと同じように心斎橋の事務所に阪急電車で出社し、いつもと同じように帰宅したその翌朝、畳の上で眠るように亡くなっていたと聞きました。不謹慎ながらその「死にざま」にも憧れました。
村野作品は60~70才代に全盛期を極め、80才代で円熟期、90代の作品にも明らかに本人が直接デザインした手の痕跡が残っています。93才で亡くなる直前まで最前線で建築設計の仕事に携わっていたのですね。

久しく村野作品はもちろん建築デザインに触れる機会がめっきり減ってしまいましたので今回の展示会は懐かしくもあり、とても刺激的なものでした。10月26日までのロングランのようですので是非ご覧になってみて下さい。お奨めです・・・
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Commented by koseki at 2008-09-02 14:51 x
こんにちは。村野藤吾で修士論文を書かれたんですね。
村野作品は、八ヶ岳美術館しか実物には触れたことがありませんが、たしかに実際の空間体験より、写真うつりがよくないかも知れません。
ほかの作品も見てみたいと思いました。お勧めがありましたら、教えてください。

このイベントは、会期中には必ず行ってみます。
Commented by th0031 at 2008-09-02 20:53
小関さん どうもです。
八ヶ岳美術館は私も見てます。ローコストをある程度追求した上で村野さんらしさがにじみ出てると思います。村野作品おいおい紹介していきますね・・・
by th0031 | 2008-08-31 12:04 | | Comments(2)